ハリを伸ばす
「ハリを伸ばして活かし、メリはハリで補う」
きのう参加した報告会イベント(主催:発達障害サポートセンター ピュア)で、この言葉を聞いたとき、ハッとしました。
報告をしてくださったのは、児童精神科医の門先生。発達障害をもつお子さんたちと関わってきた方です。
門先生は、次のように話しておられたと記憶しています。
発達障害はメリハリが極端。メリは「強み」、ハリは「弱み」だが、弱みではなく、強みを活かすサポートが重要。発達障害の強みとは、目で見えるもので理解したり意思表示するのが得意なこと。だから「視覚的」なサポートをするのが大事。
なるほどと思いました。同時に「これ、ビジネスでも使える!」と思いました。
スタッフや部下と接するとき、「弱みの克服」に目を向けた接し方をすることがあります。でもこれは、本人にとっては苦痛。数字に弱い私に「簿記を覚えなさい」と言っても、私はただしんどいだけです。
でも、インタビューや文章なら得意中の得意(当たり前ですが・笑)。この「ハリ」を活かして、数字という「メリ」を補う発想だと、「メリ」をかなりスムーズに克服することができます。
例えば、インタビューをもっと効果的に行うために、導入、本題、しめの時間配分をどうすればよいかという観点なら、私は「時間」という数字と喜んで格闘します。得意をブラッシュアップするために、苦手を苦手と思わなくなるのです。
門先生のおっしゃりたかったことは少し違うかも知れませんが、強みをさらに伸ばすために何をすればいいか、という考え方で取り組むと、「弱みを克服してほしい」とわざわざ言わなくても、人は自分で弱みを克服していくのだと思いました。
それでも、どうしても弱みを克服できなかったら、できる人に助けを求める。
報告会では、発達障害をもつ方が、自分にはどうしてもできないことを、回りの人に「やってください」と頼む場面が、動画で放映されました。ちょっとした場面なのですが、なぜかとても感動しました。
「ハリを伸ばして活かし、メリはハリで補う」
発達障害の方々に、大切なことを教えてもらった気がします。